Ueda Koh上田 恒

電子情報システム専攻 博士後期課程1年
  • 1990年生まれ
  • 2016年3月 名古屋大学工学研究科 博士課程(前期課程)修了
  • 2016年4月 名古屋大学工学研究科 博士課程(後期課程)進学
  • 2016年4月 日本学術振興会 特別研究員(DC1)採用

新時代の情報通信

FacebookやポケモンGOといったサービスを裏で支えている技術をご存知でしょうか?

ビッグデータビジネスやクラウドコンピューティングの進展により、数千から数万台のサーバやストレージ機器を集中管理する「データセンタ」に関連するトラフィックは、年率30%の割合で増加しています。更に、そのトラフィックの80%程度はデータセンタ内部の機器間の通信により生じていることがわかってきました。

この大容量トラフィックを効率的に処理するために、データセンタ内ネットワークに光ファイバ通信技術が取り入れられています。光ファイバ通信は電気通信と比較して、安価に大容量な通信を実現できるからです。一方、光ファイバ通信には、任意のサーバ間を接続するための接続方路切り替え、すなわちスイッチングが困難であるという欠点が存在します。このため現在のデータセンタでは、接続方路切り替え時に一旦光信号を電気信号に変換して電気回路によってスイッチングした後に、再度光信号に変換することで対処しています。

しかし、このような電気的スイッチには信号容量の増加に伴い消費電力並びにコストが増大するという問題があります。これは環境負荷の点から望ましくないだけではなく、電力の供給限界という点からも増加の一途を辿るデータセンタ内トラフィックに対応できなくなることは明らかです。将来予想される大容量トラフィックに対応可能な大規模データセンタネットワークを構築するために、多数の光信号の接続方路を光のまま切り替えることのできる「大規模光スイッチ」を低コストで構築することが現在の私のテーマです。

光領域でスイッチングを行うということは、光波の持つパラメータのどれかを信号の行き先情報として利用する必要があります。データセンタ内ネットワーク用大規模光スイッチの研究は世界中で精力的に行われていますが、その多くは単一のパラメータ、特に位置情報を利用したものです。

我々は複数次元の利用、即ち空間によるスイッチングと周波数によるスイッチングを組み合わせたスイッチ構成を提案し、実際に試作および実験によりその有効性を確認してきました。これまでに世界最大規模のスイッチを実現することに成功しており、今後も増加を続けるデータセンタ需要に対応できるよう頑張っていきたいと思います。

図1 空間-周波数スイッチ概念図

図2 作成した周波数スイッチ

未来の研究者一覧に戻る