未来エレクトロニクス集積研究センターの紹介

未来材料・システム研究所附属未来エレクトロニクス集積研究センター 副センター長 大野 雄高

未来エレクトロニクス集積研究センター(CIRFE)は、窒化ガリ ウム半導体などの省エネルギーエレクトロニクスに特化した研 究・教育を推進するため、平成27年10月に未来材料・システム研 究所に設立されました。

地球規模での資源制約ならびに環境制約の下、人間と自然が 調和する豊かな社会の持続的発展を支えるためには、エネル ギー資源の効率的な活用、すなわち省エネルギーは最重要課題 です。2014年ノーベル物理学賞を受賞した天野浩教授らが開発 した窒化ガリウム発光デバイスはテレビや照明などの大幅な省 エネ化に貢献しました。また、窒化ガリウムは自動車のモーター の制御やACアダプタなどの電力変換に用いられるパワーデバイ スの電力損失を半分以下に低減できる可能性もあります。

CIRFEは材料・デバイス・計算科学・計測・システムの教員・研 究者が学内外から集まり、窒化ガリウムデバイスを中心とした省 エネ型エレクトロニクスを集中的に研究しています。また、窒化 ガリウムのさらに先を見据えて、ナノ結晶などの新規機能性材料 やナノカーボン材料に基づく超低消費電力デバイスやウェアラ ブルデバイスなど萌芽的研究も進めています。さらに、研究所内 に設置されたトヨタ先端パワーエレクトロニクス寄附研究部門 や産総研・名大窒化物半導体先進デバイスオープンイノベー ションラボラトリ、トヨタ先端パワーエレクトロニクス産学協同研 究部門、デンソー自動車用パワーエレクトロニクス産学協同研究 部門と連携し、ものづくりの上流から下流までの研究開発を連 携・連鎖の基に行い、本学の研究成果の社会・産業への橋渡しを 加速する試みも始まりました。また、窒化ガリウム研究コンソー シアムを設立し、オールジャパンの体制で産学官の強力な連携 を行っています。CIRFE内の国際客員部に3名の外国人教員を招 聘し、世界的な窒化ガリウムデバイス研究のネットワークの形成 も進めています。

将来の省エネルギーエレクトロニクスを担う人材の育成も、 CIRFEの重要な任務です。多様な専門分野の教員を集結した CIRFEでは、独自のセミナーやシンポジウム等を通じて、本学の 大学院生のみならず、すでに現場で活躍中の研究者・技術者に 対して、省エネ材料・エレクトロニクスの基礎から先端研究まで 学ぶ機会を設けています。さらに、企業と一体化したものづくり の研究開発と連携しながら、諸外国と比べて極端に少ないベン チャー企業創業を積極的に進める人材の育成も試みようとして いるところです。

CIRFEの活動の多くは工学研究科の先生方のご協力により成 り立っているものです。本誌面をお借りしまして、感謝を申し上げ ます。今後ともCIRFEの活動にご理解とご協力をお願い申し上げ ます。

図1:未来エレクトロニクス集積研究センターの目的

図2:未来エレクトロニクス集積研究センターの組織とネットワーク

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