土木工学専攻
力学的性能値から3D構造を生成するAIの研究

土木工学専攻 准教授 西口 浩司

2022年以降、Dream Fusion(Google)、Magic 3D(NVIDIA)、Point-E(OpenAI)をはじめとする3D生成AI(text-to-3Dモデル)が続々と登場しています。ただし、自然言語・画像・動画に比べ3D形状のデータセット数は少なく、構造力学的な設計への適用は進んでいません。

そこで当研究室では、スーパーコンピュータ「富岳」(図1)を用いた超多ケース・シミュレーションにより構築した構造力学的パラメータと3D形状がペアになったデータセットに基づく3D生成AI(parameter-to-3Dモデル)の研究を進めています。これまでの研究では、「富岳」を用いることで1万ケースの自動車コンポーネント構造の衝突シミュレーションを実現し、データセットを作成しました。さらに、力学的性能を指定して3D形状を生成するAIを世界で初めて提案し、そのparameter-to-3Dタスクの精度を定量的に明らかにしました(図2)。

今後は、スポット溶接・ボルト・ビードなど局所的構造も高精度に生成できる手法に高度化し、自動車構造・土木構造・建築構造など幅広い工学設計に応用可能な手法の研究を進める予定です。

図1 スーパーコンピュータ「富岳」

図1 スーパーコンピュータ「富岳」

図2 3D生成AIによる衝撃吸収構造の生成例

図2 3D生成AIによる衝撃吸収構造の生成例

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