生命分子工学専攻
脳内で記憶形成に必須なタンパク質を速やかに可視化

生命分子工学専攻 教授 清中 茂樹

私たちの脳で記憶の単位となるのは、神経細胞同士の接続部であるシナプスであり、記憶の強弱を直接決めるのが、神経伝達物質受容体の一種であるAMPA受容体と呼ばれるタンパク質です。そのため、AMPA受容体を可視化することは、シナプス機能を"見る"ことに相当します。私たちは、AMPA受容体を可視化する化学プローブPFQX1(AF488)を開発しました。PFQX1(AF488)は培養神経細胞に添加するだけで受容体を標識でき、10秒以内に可視化が完了します。このように簡便かつ迅速に標識できるプローブは世界初です。本プローブを用いることで、神経細胞内でのAMPA受容体の動態を詳細に解析することに成功しました。本成果は、記憶形成の時空間的実体の解明に道を開き、アルツハイマー病など神経疾患の早期診断への応用も期待されます。
本研究成果は米国の科学雑誌「Science Advances」に掲載されました(DOI: 10.1126/sciadv.adt6683)。

PFQX1(AF488)による神経シナプスの可視化の模式図

PFQX1(AF488)による神経シナプスの可視化の模式図

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