エネルギー理工学専攻
体温を電気に変える柔らかく高性能な熱電材料
エネルギー理工学専攻 准教授 中谷 真人
エネルギー理工学専攻 教授 尾上 順
エネルギー理工学専攻 教授 尾上 順
エネルギー理工学専攻では、身の回りのエネルギー(太陽光、圧力振動、排熱など)を高効率に電気に変換する材料の研究を進めています。中でも、ゼーベック効果によって体温から電気に変える熱電材料は、ウェアラブルセンサーの独立電源への利用が期待されており、当専攻のエネルギーナノマテリアル科学グループでは、C60を利用した新しい熱電材料の開発を進めています。熱電材料の高性能化には、導電率σと熱電能αを向上させ、熱伝導率κを抑制する必要があります。C60薄膜は、既存材料と比べ室温で数100倍のαと10分の1以下のκを示すため高性能熱電材料の候補ですが、極めて小さいσが弱点でした。最近、C60と三酸化モリブデンナノクラスター(MoO3)nを複合化すると、大きなαを保持しつつσが1000倍以上に向上することを見出しました[1](図)。さらに、この薄膜を加熱処理することで、有機材料としては実用化レベルの世界最高の熱電性能を実現しました[2,3]。
[1] M. Nakaya et al., Carbon 241, 120374 (2025).
[2] 中谷,尾上:特願2025‒081771.
[3] 投稿準備中.
C60(MoO3)χナノ複合膜およびC60系材料のα‒σ特性