未来社会を繋ぐ
革新的な無線通信システムの創出を目指す

情報・通信工学専攻 教授
水谷 圭一
情報・通信工学専攻 教授 水谷 圭一

名古屋大学水谷研究室(無線通信システム研究室)は、2025年4月に発足したばかりの新しい研究室です。本研究室では、スマホやWi-Fiをはじめとする無線通信システムの未来を切り開く研究開発をミッションとしています。これらは、私たちの日常生活に欠かせない基盤技術です。

1979年、世界初のセルラー方式によるアナログ自動車電話サービスとして、第1世代移動通信システム(1G)が登場しました。1980年代半ばには、持ち運び可能な携帯電話が実用化され、以降、約10年ごとに世代交代を繰り返してきました。1Gの登場からおよそ半世紀が経った今、誰もがスマートフォンを片手に、いつでもどこでも動画像を含む情報を気軽に取得・発信する時代になっています。2020年に本格サービスが開始された第5世代移動通信システム(5G)は、数Gbit/s超の超高速通信(初期携帯の約100万倍!)を実現し、自動運転やロボット操作に不可欠な高信頼・低遅延通信や、大規模IoT(Internet of Things)端末の高密度収容を可能にしました。

では、無線通信システムは今後どう進化するのでしょうか。その鍵が、第5期科学技術基本計画で提唱された「Society5.0」です。これは、サイバー空間と現実世界を高度に融合させ、経済発展と社会的課題解決を両立する人間中心の社会を目指すコンセプトです。Society5.0では、社会のあらゆる要素をサイバー空間にデジタルツインとして構築し、そこで生まれたソリューションを現実世界に反映して変革を起こします。この様な未来社会の実現を支えるためにはさらに高度な無線通信システムの研究開発が不可欠です。国際電気通信連合は、2030年以降の実現を目指す新しい国際移動通信システムの技術目標を定めています。例えば、ピークデータレート200Gbit/s以上、スペクトル利用効率5Gの3倍以上、高密度通信50Mbit/s/m2以上、端末密度1億台/km2、移動速度1,000km/h対応、遅延0.1ms以下などです。また、センシング統合や、海中・空中・宇宙空間のカバレッジ拡大、AI活用などの新ユースケース対応も求められています。名大水谷研では、これらの国際動向を踏まえ、以下の研究に注力しています。

  1. ①高速大容量・高効率周波数利用・高速移動体通信のための新通信方式(変復調・符号化・多重化・複信・多元接続方式、AI応用、センシング技術など)
  2. ②空中モビリティ収容を目指した多層空中通信網システム
  3. ③水中ドローン対応の次世代水中通信システム
  4. ④周波数逼迫・端末コスト・省エネ問題解決に向けた、電波以外の媒体(音響波、超音波、光など)を統合活用したサステナブル無線通信システム

私たちの環境や社会は急激に変化する可能性がありますが、無線通信分野のブレイクスルー技術を創出することで、より豊かで人間らしい未来社会を実現します。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

本研究室における次世代モビリティを想定した次世代無線通信システムの研究開発

本研究室における次世代モビリティを想定した次世代無線通信システムの研究開発

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