エネルギー理工学専攻
共鳴摂動磁場を使って核融合炉心プラズマの不安定性を抑制する
エネルギー理工学専攻 客員教授 渡邊 清政
エネルギー電磁流体工学グループは核融合科学研究所(岐阜県土岐市)の研究職員が名古屋大学の客員教員を務める大学院連携講座の一つです。核融合炉では、反応維持のためプラズマ状態の高密度燃料を高温状態のまま閉じ込める必要がありますが、プラズマ自身が作る磁場で閉じ込め磁場を破壊したり、自身が作り出す電場で磁場容器から飛び出したりする現象が閉じ込め状態を劣化させます。我々のグループでは、世界最大のヘリカル型核融合実験装置である大型ヘリカル装置(LHD)を使って付加的なコイルによる共鳴摂動磁場(RMP)を利用した核融合炉心プラズマの不安定性の抑制手法の開発研究を近年集中的に行っています。その結果、不安定性に共鳴する適度な大きさのRMPを印加することにより、安定化させることができることを発見しました[1]。また、実験を続けることにより、運転磁場、密度、温度が異なる場合に不安定性抑制に必要なRMP強度の実験則の改良を続けています。
[1] S. Ito, K.Y. Watanabe, Y. Takemura, S. Sakakibara and S. Masamune, "Suppression of resistive interchange instability by external RMP", Nuclear Fusion, vol. 63, 066016 (2023).