生命分子工学専攻
サルコペニア予防に寄与する成分を独自の評価系で発見

生命分子工学専攻 准教授 清水 一憲

生命分子工学専攻の清水一憲准教授らの研究グループは、サントリーウエルネス株式会社との共同研究で、L-アンセリンがサルコペニア予防に寄与できる可能性を新たに発見しました。

超高齢社会である日本では、サルコペニアや廃用性筋萎縮に伴う筋力低下が問題になっています。こうした背景から筋力低下を予防する食品成分が求められています。我々は、回遊魚や鳥類に多く含まれており、様々な食品から摂取されている成分かつ、多様な生理活性が報告されているL-アンセリンに着目しました。本研究では、L-アンセリンがヒト由来骨格筋細胞の筋分化を促進し、筋収縮力を増大させることを、2次元培養および独自デバイスを用いた3次元培養で明らかにしました。

本研究は、食経験豊富なL-アンセリンが、ヒト由来骨格筋細胞の分化および収縮力を増強することを示した初めての研究成果であり、L-アンセリンがサルコペニア予防に寄与することが期待されます。

本研究成果は、アメリカ化学会のJournal of Agricultural and Food Chemistry(DOI: 10.1021/acs.jafc.3c01685)に掲載されました。

本研究の概念図

本研究の概念図

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