航空宇宙工学専攻
航空宇宙工学専攻が取り組む産学官連携:難削モビリティ部品の高精度高能率切削加工技術の開発

航空宇宙工学専攻 准教授 早坂 健宏
航空宇宙工学専攻 教授 社本 英二

航空宇宙工学専攻の生産工学研究グループは、三菱重工航空エンジン(株)/(株)デンソーダイシン/あいち産業科学技術総合センターを含む合計9機関の代表として、2019年から2022年まで愛知県の産学官連携プロジェクト(知の拠点あいち重点研究プロジェクト「次世代航空機/自動車部品用高機能材料の高精度・高能率加工」)を推進しました。そのプロジェクトでは、航空機ジェットエンジン部品の材料として注目されているTiAl金属間化合物等の切削時に生じるその材料の脆性破壊問題(図1)や、自動車エンジン部品等の軽量化に伴う低動剛性化に起因する切削時の振動問題(図2)に取り組みました。その結果、前者に対しては従来比1/200倍の欠陥サイズと従来比10倍以上の加工能率を、後者に対しては従来比5倍以上の加工能率を実現する加工技術をそれぞれ開発しました。その一部は企業で実用化されており、モビリティ部品の製造にも貢献しています。本専攻では今後も愛知県という地の利を活かし、様々な形で産学官連携を行います。

図1 航空機ジェットエンジンのタービンブレード切削時の脆性破壊問題と開発技術による抑制と部品試作(提供:三菱重工航空エンジン)

図1 航空機ジェットエンジンのタービンブレード切削時の脆性破壊問題と開発技術による抑制と部品試作(提供:三菱重工航空エンジン)

図2 自動車エンジン部品切削時の振動問題と開発技術による抑制と部品試作(提供:デンソーダイシン)

図2 自動車エンジン部品切削時の振動問題と開発技術による抑制と部品試作(提供:デンソーダイシン)

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